肉や魚などの食品は、口腔内で繊維が残りやすく飲み込み難い食品として挙げられます。
みなさんも家で肉や魚を食べていて、肉や魚が「硬い」「口に残る」といった経験はあるはずです。この問題はいくら細かく刻んでも解決される(飲み込みやすくなる)ものではありません。
料理を
刻むという作業は、食べ物を食べやすい大きさに
ほぐす動作や
噛む動作を代用するものであって、
・麻痺などがありスプーンでうまく食べれないない場合。
・上手く食べ物を噛み切れない場合。
には有用だと考えますが、
・嚥下機能が低下し、食べ物を上手く飲み込めない場合。
にはあまり効果的なことではないこともあります。むしろ、刻むことで口腔内で散らばりやすく、咽やすくなってしまうともあります(全てではないかもしれませんが)。
そこで現在、給食課では
豚肉を軟らかくする調理法を模索しています。
食材そのものを軟らかく仕上げることで、飲み込みやすくすることが目的です。
豚肉の
部位、
加熱時間、
加熱温度等の様々な条件をを変えて比較することにしました。(この写真を見ると少し不気味に見えるかも知れませんが…)
今回の試作で分かったのは、
■高温(100℃)で加熱すると、肉の繊維が硬くなりパサパサとした食感(魚のカジキのような食感で口腔内に繊維が残る感じ)になる(しかし、箸などでほぐすとホロホロと崩れる)。
■今回行った加熱時間の違いでは、あまりはっきりとした差が出ない(3時間と4時間)。
■豚のモモ肉は、他の部位と比較して硬い(豚肩ロース・豚ロースなどが比較的軟らかい)。
■低温(70℃)で加熱したものの方が、肉の味が濃く美味しい(しかし、箸で崩れるような硬さではない)。
などです。
そして、課題も見つかりました。
■低温(70℃)で長時間加熱すると、どのような食感になるのか。
ということです。再チャレンジです。
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